美しい姿勢はきれいに見えます。猫背の原因は骨盤の歪み、運動不足やスマホ、デスクワークなどが引き起こす猫背は、肩こりや腰痛、様々な病気の引き金にも。簡単ストレッチや意識の持ち方で猫背を矯正すれば、ダイエットや冷えの解消にもなって心も元気に。美しい姿勢と健康を手に入れましょう。
猫背の一番の原因は骨盤の歪みです。骨盤のゆがみタイプには前傾タイプや後傾タイプがあります。
猫背になっていたり、腰が反り返っている時、背骨の形は正しい姿勢の形と大きく異なっています。それは骨盤の向きによって決定され、骨盤が通常よりも後傾気味になると背骨が丸まってしまうのです。そのため、骨盤を前に倒してやると背筋も自然と伸びて猫背が解消されます。
「猫背になりやすい習慣」というものがあります。特に現代ならではの週間も多く、日々の生活の中で気づかないうちに猫背に!
1. 長時間のPC・スマホ
使っていると、自然と背中が丸まり、顔が前に出ています。特に小さな画面を見ようとすると肩も内側に丸くなり姿勢が乱れがちになります。毎日の暮らしに欠かせない存在で、使用する時間も比較的長い人が多いので、注意が必要です。
2. デスクワークなど座り過ぎ
長時間椅子に座ってのデスクワーク。「座り過ぎ」による健康への悪影響は、世界的にも注目されています。楽に感じるからと背中の力を抜いて肩が前に出てしまっては、猫背はひどくなる一方です。20代の頃はそれほど気にならないこともありますが、30代になると骨盤の歪みや筋力の衰えもあり、座り方に気を配らなければなりません。
3. 運動不足
日々の運動不足からくる筋力の低下も猫背の要因に。適度の運動の習慣がなく筋肉を使わなければ、筋肉量も筋力も次第に衰えていき、姿勢を悪くします。また、生活習慣の乱れなどから血行不良になると、筋肉の柔軟性も失われてきて正しい姿勢を保つことができません。年齢とともに猫背になり易い人が増えるのも、筋肉と関わっています。
4. 自信のなさ
自身のある人は、顔が前を向き、胸を張って堂々としています。ですが自身がない人や、体型にコンプレックスがある人は、うつむきがちに、時々ならまだしも、消極的な気持ちからいつも顔を下げて背中を丸めていると、筋肉も鍛えられず骨盤も歪んでいき、いつも猫背の癖がついてしまいます。
5. ストレス
ストレスが溜まっている時も、自信がない時同様体を丸めがちです。心が晴れないので、胸やお腹を守るように背中を曲げてしまい、内臓を圧迫したり息苦しさを感じることでさらにストレスが溜まっていきます。ストレスと猫背の悪循環が起こっていないでしょうか?
6. 偏った癖
頬杖をつく、足を組む、いつも片方の肩にバッグをかけている、いつも同じ横向きで寝るといった、体の重心を偏らせ体の歪みを招き易い癖のある人は要注意。骨盤が歪み、猫背になり易くなります。
具体的に猫背を治すにはどうしたらいいのでしょうか。「筋力不足が原因」と聞いてハードな筋トレを行なって挫折した人もいるかもしれませんが、実は猫背を治すには過度な筋トレは必要ありません。簡単なストレッチや姿勢と生活の見直しを続けていくだけで、自然と良くなっていきます。
1. 本当の「正しい姿勢」をとる
まず「本当の正しい姿勢」を知ることから。「姿勢を正しく!」というと背中をグイッと反らす人がいますが、一日中キープすることは不可能ですし、そもそも正しい姿勢ではありません。本当に正しい姿勢は疲れません、反対に楽です。正しい姿勢を見つけるために、膝立ちになってみましょう。体に近い膝で体重を支えることで、自然に背筋が伸びるはず。この感覚を覚えて、普段の生活の中でも意識することを始めてみてください。最初は難しいかもしれませんが、気になるたびに正しい姿勢に戻す。それだけで体が次第に覚えていきます。
2. 椅子に座ったストレッチ
《やり方》
・椅子に座って両腕を上から引っ張られているように上に挙げます。
肘までしっかり伸ばして、手は重ならないように気をつけましょう。
・そのまま5秒間キープ
・ゆっくり腕を横から降ろして太ももの上に置きます。
・そのまま肩の力を抜いて5秒間キープ
《コツ》
腕を伸ばす時は、肩甲骨が動いて背中の筋肉を緩めるために、伸び上がる感じで腕を伸ばしてください。腕や肩甲骨を意識することで、無理なく骨盤を正しいポジションに導くことができます。
3. ストレッチポールを使う
① ストレッチポールを床に置き、その上に寝転がります。
② 2~5分ほどストレッチポールの上で体をリラックスさせます。
寝転がるだけで簡単に背中や肩甲骨の筋肉をほぐせるほか、体の歪みを整えるのにも役立ちます。朝と夜お風呂上がりの2回の使用がお勧めです。
4. 猫背リセットストレッチ
内側に丸まった肩を広げてリセットし、猫背を改善するストレッチデス。
① 四つん這いになり、お腹を上にグッと引き上げて、背中を丸くします。
② 背中を下にがくんと落とし、背中を反らして1分間キープ。
・背中を落とす時に、肩甲骨の間の部分も落とすイメージで行ないます。
・朝と夜3回ずつすると効果的ですが、痛みを感じ体が辛い場合は、少ない
回数から始めて少しずつ慣らしていきましょう。
5. 背筋「海老反り」ストレッチ
背中の下の部分、腰近くが丸くなっている猫背に効く3分ストレッチ
① うつ伏せに寝ます。顔はどちら向きでも構いません。
② 両腕を床に着いて、上半身を起こして海老反りに。10秒間キープ
③ 上半身を戻して床に着け10秒。これを3回繰り返す。
④ もう一度上半身を起こし、足を見るように左に体を捻り5秒キープ。
⑤ 同じように右に捻り5秒キープ。
⑥ うつ伏せに戻り、10秒体を休ませます。
・海老反りは、腰が痛くならない程度に起こしてください。猫背はもちろん、腰痛の悩みに効果的。
6. 固めの寝具で寝返りを打ちやすいようにする
寝ながらできる簡単な猫背直しもあります。それは寝返りを打つこと。人は寝ている間に数十回寝返りを打ち、体の歪みをリセットしています。そのため、寝返りが打ちやすい環境で寝ることも大切なのです。
柔らかく体が沈み込む低反発系などの寝具は、寝返りがしづらいのでなるべく避けましょう。やや固めのマットレスなどがお勧めです。
7. 頬杖など悪いクセを見直す
悪い習慣の項で紹介した、足を組む、頬杖をつくなど、のクセを見直しましょう。体は急には歪みません。これらが習慣づいてしまっていることで少しずつ体が歪み、猫背を作っています。
クセを見直すだけで、体への影響は大きく変わります。
8. インナーマッスルを鍛える
猫背のために過度な筋トレをして筋肉を鍛えても、あまり効果はありません。
それよりも骨格でしっかり支えることが重要です。腹筋や背筋よりもインナーマッスルがカギとなります。
インナーマッスルとは体幹深層筋のことで、骨盤と脊髄といった体の中心を支えている筋肉を指します。骨盤が歪んで猫背になっている人は、このインナーマッスルが正しく機能していない状態です。
インナーマッスルを鍛える方法はいくつもありますが、簡単なものを一つ紹介します。
① 立った状態で壁に、頭・背中・お尻・かかとをつけます。
② 背中を壁に押し当てるイメージで押し当てていきます。
③ お腹を中に入れ込んでいくイメージでお腹を凹ませます。
お腹を凹ませた後に肩が上がらないように注意する。仰向けでやるとお腹に意識を持っていき易いのでお勧めです。
9. イスや机との位置を変える
デスクワークなど、椅子に座っている時間の長い人は、椅子や机、パソコンの位置などを見直しましょう。気をつけたいのは以下の点。
・ディスプレイと目の間は40cm以上開け、目より下になるように設置する。
・膝を90度に曲げた時に、足裏全体が床に着くよう椅子の高さを調整する。
・腕は机もしくは椅子の肘置きで支える。
10. 見られている「感覚」を持つ
モデルや芸能人の姿勢がいつも美しいのは、トレーニングに加えて常に「見られている」という意識を持っているからです。あなたも、周囲の人から「見られている」という感覚を持って生活をしてみてください。人の目を意識するだけで、驚くほど姿勢に意識が向き、自然と美しく背筋が伸びてくるはずですよ。
11. 整体院に行く
骨盤や体の歪み、猫背やそれに伴う肩こりや腰痛などは、やはり整体院や整骨院など専門家に調整して貰うのが確実です。自分では気づかない箇所の歪みや異常、姿勢、普段の暮らしで気をつけるべきことまでアドバイスをしてくれます。今の猫背を治すことはもちろん、予防にも繋がります。
猫背を治すだけで、健康面から美容面、そしてメンタルにまで様々なメリットが生まれます。これらを知れば、毎日のストレッチのモチベーションもアップ。
1. 本当に正しい姿勢は疲れない
本当に正しい姿勢とは、骨や筋肉のバランスがとれた状態を指します。それはごく自然な形なので、体への負担は非常に軽くなります。猫背は筋肉が硬くなっており、血液やリンパの流れも悪い状態。猫背の解消によってこれらが改善され、老廃物が排出され易くなるので疲れにくい体になります。
2. 正しい姿勢だけで美しく見える
背筋が真っ直ぐ伸びて正しい姿勢の人は、それだけで美しく見えます。凛としてポジティブに見えます。若々しく活発に映り、人に与える印象が数倍良くなります。
3. 冷え症が良くなる
猫背の解消によって血流が良くなると、内臓の動きが活発になるため、体温が上がり、いわゆる冷え症、手足などの冷えやそれに伴う不調も緩和されていきます。
4. 落ち込みにくくなる
猫背になると、頭を支える頚椎が歪み、この部分を通る脳脊髄液の流れが滞りがちになるため脳への栄養が不足します。すると頭痛や集中力の低下、自律神経にも影響を与えて、自律神経失調症や抑うつ症状が現れることもあります。また、感情と体は繋がっており、姿勢を正すことで脳に「元気だ」という信号が送られ、落ち込んだ気分になりにくくなることもわかっています。
5. 痩せ易くなる
冷えが改善されて体温が1度上がると、何もしないでもエネルギーとして消費する「基礎代謝」も10%以上アップするといわれています。筋肉量も次第に増えるため、さらに痩せ易い体になっていきます。
6. ボディラインにメリハリがでる
リンパや血液の流が改善されることにより、むくみが解消されやすくなります。そして、正しい姿勢でほどよく筋肉を使い刺激することで鍛えられるので、垂れがちだったバストやヒップもアップして、引き締まったメリハリのついたボディラインが手に入ります。
7. 自信が持てる
美しいボディラインや痩せ易い体が手に入り、冷え症解消によって体調も良くなると、自然に心が前向きになり自分に自信が持てるようになります。猫背解消で、心身ともに美しく健康に、元気な毎日送れるようになるのです。
猫背を直せば7つのメリットが生まれますが、猫背を直さずそのままにしていると、見た目が悪い以外にもこのような様々なデメリットがあります。
1. 肩こりや頭痛のもと
私たちの頭は、体重の約10%の重さがあります。体重50kgなら5kg、2Lペットボトル2本よりさらに重いのです。これを支える首の部分には大きな負担がかかります。本来背骨でしっかり支えるべきなのですが、猫背になっていると正しく支えられず、肩や背中の筋肉に負担がかかることで筋肉が硬くなり、コリが起こります。また、上半身をしっかり背骨で支え切れていないため、腰に負担がかかり腰痛となって現れるのです。
2. 自律神経の働きが悪くなる
猫背になっていると、脳脊髄液の流れが滞るほか肋骨を圧迫して呼吸が浅くなることから、自律神経のバランスは崩れがちになります。自律神経失調症になると、気分の落ち込みや焦燥感、イライラなどの精神的な症状のほか生理不順、食欲不振、めまいやシビレといった身体的な症状も現れます。
この状態に、さらにストレスや疲労が重なれば、うつ病などに発展する危険性も十分考えられます。
3. 内臓の働きが悪くなる
自律神経の働きの低下は、血流を滞らせるため内臓の働きも低下させてしまいます。また、猫背で胃の周辺を圧迫することで、胃腸の働きが悪くなり不調が起こります。その他横隔膜が歪むことで胃が横隔膜に被さり、逆流性食道炎にかかる可能性もあります。
4. 血液の流が悪くなる
筋肉が硬くなってコリが生じると、血管が締め付けられ血流が悪くなります。老廃物の排出もうまくいかなくなるので、浮腫み易い体になります。その他にも、脳への血液の流れの悪さは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの大きな血管障害につながる可能性もあるのです。特に頸椎のカーブが失われた「ストレートネック」になっていると、これらは起き易くなります。
5. 呼吸が浅くなる
猫背になると肺が圧迫され、深く呼吸することが難しくなります。胸郭が下向きになっているとうまく持ち上がらないため、しっかり膨らますことができず、その状態が続くことで膨らみにくい胸郭になってしまうのです。また、本来息を吸う時に使われる横隔膜や腹横筋がうまく働かないので、肩や首の筋肉で吸おうとしてしまい、肩こりを悪化させることもあります。
6. 実は疲れる
猫背は骨盤や体が歪み、バランスが取れていない状態。正しく体に負荷をかけることができないので、一部の筋肉へ負担がかかりコリや痛みとなって現れます。自律神経や血流の乱れ、浅い呼吸は体を疲れやすくしてしまいます。日頃から取れない疲れの原因は、猫背にあるのかもしれません。
猫背とは、「上位交差症候群」とも言います。首と背中の骨格筋のバランスが崩れた状態です。肩を中心として硬い筋肉、弱い筋肉が交差上に発生することから上位交差症候群と呼ばれています。
特徴
・「胸の筋肉」と「首~肩の筋肉」が固い
・「首を前に曲げる筋肉」と「肩甲骨の間の筋肉」が弱い
硬い筋肉は柔らかくし、弱い筋肉は鍛える事が猫背への対策となります。
ストレッチのやり方:座位
首の後ろのストレッチ
① 右手を左側頭部に当て、首を軽く右に倒す。この時左肩を下げる。この状態から、
首を少し右斜め前に倒し、更に左肩を下げると、首の左後ろが伸びているのが感じられる。
② 左手を右側頭部に当て、首を軽く左に倒す。この時右肩を下げる。この状態から、
首を少し左斜め前に倒し、更に右肩を下げると、首の右後ろが伸びているのが感じられる。
胸のストレッチ
① 後ろで手を組んで胸をグーッと張る。そのまま少し上に挙げて行く。今度は下に降ろして行く
② この運動を10~20回繰り返す
胸の筋膜リリース
① 右手母指を左の鎖骨下に触れ、筋肉の硬いところや痛いところを探して母指を圧定する。
左手を外旋しながら後方へ、内旋しながら前方へ6往復させる
② 反対側も行なう。
背中のトレーニング
① 首がしっかり肩に乗っている姿勢。バンザイして肩甲骨を下に降ろす
② 肘を床に刺すようなイメージで10回繰り返す。